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6-浣溪沙・春色深



    浣溪沙  李清照

 小院閑窗春色深 (閑窗=例戞法塀嫂А畚娶福春已)
 重簾未卷影沈沈   (簾=帘)
 倚樓無語理瑤琴 
 遠岫出雲催薄暮   (出雲=出山)
 細風吹雨弄輕陰
 梨花欲謝恐難禁 
  ( )内は異本
    (「春景」と題するもある)    

《和訓》
小院(しょういん)(さび)しき(まど)春色しゅんしょく)(ふか)くして
(かさ)なれる(すだれ)(いま)(まか)ざれば(かげ)沈沈(じんじん)たり
(たかどの)()りて(かた)ること()瑤琴(こと)(ととの)

(とお)(やまあい)(くも)()でて薄暮(はくぼ)(もよお)
(ささ)たる(かぜ)あめ)()きて軽陰(けいいん)(もてあそ)
梨花(りか)(しゃ)せむと(ほっ)するにおそら)くはきん)がた)


《語釈》
・小院:小さな奥庭。
・窗:窓
・沈沈(じんじん):ひっそりと静かなようす。
・倚:もたれる、よりかかる。
・無語:語ることなく、おしゃべりすることもなく独りで。
・理:調子・リズムなどをあわせる。ととのえる。(あるいは)おさめる。
・瑤琴:瑤は、玉のように美しいさま。螺鈿作りの琴。
・岫:やまあい、みね。
・催:促す、急(せ)きたてる。 変化を起こさせる。早くさせる。
・梨花欲謝恐難禁:長恨歌の「玉容寂寞涙闌干、梨花一枝春帶雨。含情凝睇謝君王、一別音容兩渺茫」(その美しい顔はいかにも寂しげで、涙のはらはらと流れるさまはまさしく、一枝の梨の花の上に、春の細かい雨がはらはらと降り懸かってぬれているかのよう。(楊貴妃の霊は)思い込め、じっと見つめながら、天子にお礼を申し上げて言う「(馬嵬駅で)お別れしてからは、お声を聞くことも、お姿を見ることもできず、それらははるかに遠いものとなりました…。」によるか。
・恐難禁:ひたすらあなたを思うと、涙のはらはらと流れてやまない。
・恐:おそらく、たぶん。 恐れる、おびえる。
・「深沈琴陰禁」の押韻はわかりやすい。


《詞意》
中庭に向かう寂しい窓辺に春の色が深まり
垂らしたままの簾の陰にひっひりと控えて
楼の二階で語ることなく琴を弾いています

遠い峰から雲がわき日が暮れかかりますと
風がそよぎ雨も降り出して木陰をも濡らします
梨の花も散るほかないのでしょうか


《訳詩》

  春深く
庭の窓辺に春深み
巻かざる御簾に陰落ちぬ
縁にしずもる琴の音

山に雲いで春暮れて
ささたる風に揺るる雨
濡れしは梨の花のみや




(追加更新09/10/1)
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