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48-減字木蘭花・雲鬢斜簪

 減字木蘭花     李清照

賣花擔上
買得一枝春欲放。
淚染輕勻     (染=點)
猶帶彤霞曉露痕。

怕郎猜道
奴面不如花面好。
雲鬢斜簪
徒要教郎比並看。

      ( )内は異本

《和訓》
(にな)ひ上げ花売るに
一枝(ひとえだ)買い得しが春の放たれんと欲す。
涙の染めて軽く(あまね)く   
猶ほ彤(あか)き霞帯びたる曉の露の痕のごとし。

郎の猜(うたが)ひ道(い)ふを怕(おそ)
(わ)が面(おも)の花の面の好ろしきに如かずと。
雲なす鬢(びん)斜めにさしし簪(はなかざし)
(いたづ)らに要(もと)むは郎に比べ並べて看せしむること。



《語釈》
・賣:売る。・花:梅の花。
・擔:肩に担ぐ、担う。朝の花売りの様子。各戸を回ったようである。
・春欲放:蕾が将に開こうとするさま。春を迎えた喜びと、自分の生き生きした春(新婚)の喜びがあふれ出る。
・淚:露の滴。
・勻:むらのない。均等にする。ととのう、すくなし、あまねし。ひとし。
・猶:なお、いまだに。…のようだ、…のごとし。・彤:赤色。
・怕:恐れる、怖がる。 耐えられない、禁物である。 心配する、案じる。
・郎:女性から夫や恋人に対する旧時の呼称。
・猜:推量する、見当をつける。猜疑(さいぎ)心をいだく、疑う。
・奴:《旧》わたくし(若い女性の自称)。奴隷、しもべ。
・不如:及ばない。かなわない。それにこしたことはない。…がいちばんだ。
・雲鬢:美女の雲なす髪の毛。女性の髪の毛の譬え。・鬢(びん):耳際の髪の毛。もみあげ。「長恨歌」(白居易)に「雲鬢花顔金歩揺」とある。
・斜簪:ななめにさしたかんざし。花を簪のように挿す。
・徒:ただ。むなしい、何もない、ただ…だけ。あだ。むだ。たわむれる。ふざける。することもなく、手もちぶさたなさま。
・要:求める、ねがう。・教:(使役動詞)…させる。・比並:対比する。

《詩意》
朝の街に花売りが出て肩に花を担って売っているという
その一枝(ひとえだ)を求めました。
今にも咲き出しそうな蕾。
涙のような露がしっとりと全体を染めて   
いまだに、朝焼けに色ずく霞や露の痕を残しているよう。

私の容姿が花の美しい姿にかなわないと
あなたがお疑いになるのを案じるばかり。
豊かな美しい髪に斜めに挿した花簪(はなかんざし)と
比べ並べてみてください、「ねえ、私のほうが綺麗でしょ」



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