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2.浣溪沙 清明


 浣溪沙   朱淑眞
  清明

春巷夭桃吐絳英,春衣初試薄羅輕。
風和煙暖燕巢成。

小院湘簾良墟法ざ碧室戶悶長扃。
惱人光景又清明。



《和訓》
春の巷に夭たる桃の絳英を吐くに、
春の衣を初めて試みしに薄羅の軽ろき。
風和やかに煙り暖るくして燕の巣成る。

小院の湘簾里箸靴寅砲ず、
曲房の朱戸悶として長く扃(とざ)せり。
悩める人の光景又も清明なり。


《語釈》
・清明:清明節。二十四節気の一。三月節気。新暦4月4〜6日ころに当たり、この日人々は墓参りをする。万物清く陽気になる時期という意。
・春巷:春の路地、横町。春のまちなか。
・夭桃:美しく咲いた桃の花。若く美しい女性の形容。
・絳英:濃い赤、深紅(しんく)のはなびら。
・薄羅:薄く織った織物。薄く、透けて見えるような布地。うすもの。羅。薄絹(うすぎぬ)で仕立てた着物。
・煙: かすみ、もやの類。
・小院:小さな奥庭。
・湘簾:竹製の簾。
・曲房:曲がりくねった女房(女官)のへや。
・朱戸:朱漆で塗った大門。天子が使用する朱ぬりの戸をいうが、ここは奥庭の朱の戸。
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・悶:(部屋に)閉じこもる。気がふさぐ、くさくさする。
・扃:門を閉ざす。
・光景: 生活状態。


《詞意》
春の街に若々しい桃が赤いはなびらを美しく咲かせて、
今年初めて試みに春の衣を着てみますが、そのうすもののなんと軽るいこと。
風が和やかに吹き、春霞が暖かくたなびく中、燕が巣を造っています。

小さな奥庭の竹の簾はひっそりと下がったまま卷かれることも無く、
奥の部屋の朱い戸も部屋に閉じこもったままなので長く閉ざされています。
陽気になる時期というのに、悩み続ける私の生活は変わることなく、今年も又清明節を迎えています。



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