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3.生査子  元夕


 生查子   朱淑眞
  元夕

去年元夜時,花市燈如晝。
月上柳梢頭,人約黃昏後。

今年元夜時,月與燈依舊。
不見去年人,淚濕春衫袖。


《和訓》
去年 元夜の時
花市の灯は昼の如くなりき。
月は柳の梢頭に上(のぼ)り
人は黄昏(たそがれ)の後を約せり。

今年 元夜の時
月と灯は旧じ依れど
去年の人見えずして
涙の春衫の袖を湿(ぬら)せり。


《語釈》
・元夜:元宵節の夜。旧暦正月十五日の夜で、その年の最初の満月の夜。灯会、看灯の催しが行われる。その年の最初の日の出である元旦に対応する。
・花市:春になって、花を売買するために立ついち。
・燈如畫:多くの提灯のあかりで昼のようであるさま。
・月上:月が…にのぼる。
・梢頭:こずえ。 ・頭:名詞の後に附く接尾辞。…の上。
・約:時間を決めて会う約束をする。
・黄昏:たそがれ。
・與:…と。
・依舊:むかしのままである。月と灯火は、去年と変わらないということ。
・不見:逢わない。出会えない。
・去年人:去年ともに逢い、語り合った、異性。
・涙濕:涙は…をうるおしている。
・春衫:新春の衣裳。


《詞意》
去年の元宵節の夜には、
花の市は灯篭で昼のように明るかった。
月は柳の梢にのぼり、
あの人はたそがれの後の出逢いを約束しました。

今年の元宵節の夜は、
月と灯火は、去年と変わることがないのに、
去年出逢った人には会えなくて、
悲しみの涙が春着の袖をしとどに濡らしています。


《補》
(この詞は一説に欧陽修作とする。)

朱淑真の七言律詩に
「元夜」という詩がある。
火燭銀花觸目紅,揭天吹鼓斗春風。
新歡入手愁忙裡,舊事驚心憶夢中。
但願暫成人繾綣,不妨常任月朦朧。
賞燈那待工夫醉,未必明年此會同。


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