宋詞鑑賞・李清照・朱淑真  下の●●目次●●からどうぞ。

| 七曜表 | ご意見 | ●● 目次 ●● | HP杉篁庵へのご案内 | このサイトについて |
5.生査子(年年玉鏡台)


 生查子   朱淑眞

年年玉鏡台、梅蕊宮妝困。
今歲未還家、怕見江南信。

酒從別後疏、淚向愁中盡。
遙想楚雲深、人遠天涯近。



《和訓》
年年の玉の鏡台、梅蕊に宮妝の困(こう)ず。
今歳未だ家に還らず、怕れ見るは江南の信。

酒は別れし従(よ)り後は疏(まれ)にして、涙は愁ひに向ふ中に尽くせり。
遥かに想ふ楚雲の深きを、人は遠くして天涯の近からむ。


《語釈》
・年年:毎年。年毎に。年がたつにつれて。
・玉鏡台:玉の鏡台。玉は美称。
・梅蕊:梅のしべ。
・宮妝:宮廷化粧。妝=粧。
・困:こうずる。どうしてよいかわからず悩む。疲れる。苦しめる。窮する。
・怕:心配する、案じる。怖がる。
・江南:中国の淮河以南の主として長江中・下流域を指す。
・疏:まれである。遠ざかる。おそい。おろそか。遠い。うとい。まばらである。
・楚雲:長江中流域、湖北、湖南一帯の雲。洞庭湖周辺。戦国七雄の一つとしての楚の国がある。
・天涯:空の涯(はて)。極めて遠いところ。天のきわ。


《詞意》
年がたつにつれて玉の鏡台に向かうと、梅の咲き出す頃どう化粧すべきか悩むことです。
今年夫はまだ家に還ってきません、案じ見るのは江南からの夫の便り。

お酒を呑むことは別れてから後はまれになり、涙は愁ひに向ふ中で尽きてしまいました。
遥かに楚雲の深い景を偲びます、夫は遥か遠くむしろ天の涯(きわ)に近かいのでしょう。



| (朱淑眞詞) | - | - | posted by 杉篁庵庵主 - -
<< 次ページ | 宋詞について | 前ページ>>