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8.減字木蘭花 春怨


 減字木蘭花     朱淑眞
  春怨

獨行獨坐、獨唱獨酬還獨臥。
佇立傷神,無奈輕寒著摸人。

此情誰見、淚洗殘妝無一半。
愁病相仍,剔盡寒燈夢不成。



《和訓》

独り行き独り坐り、独り唱い独り酬(の)み還(また)独り臥す。
佇み立てば神(こころ)傷み、軽ろき寒さも著(しる)く人を摸(なづ)るを無奈(いかん)せん。

此の情(こころ)誰ぞ見む、涙の残妝を洗ひて一半も無し。
愁病相仍(よ)り、剔(えぐ)り尽くして寒灯に夢も成さず。



《語釈》
・獨:独(ひと)りだけで…する。
・酬:酒を酌み交わす、互いに献盃する。
・佇立:しばらくの間立ち止まっている。「佇」はたたずむ。
・神:心、精神。
・無奈:いかんせん。どうしようもない。=無可奈何。
・著:しるし。顕著な。きわだっている。
・摸:触る、なでる。 手さぐりする。
・妝:化粧。
・一半:半分。
・愁病:うれいのやまい。愁病(うれいやまい)。
・仍:やはり、依然として。そういうわけで。それゆえ。従って。
・剔:灯心を引き出して燈火を明るくすること。えぐる(人の心に激しい苦痛・動揺などを与える)、ほじる、そぎ取る。
・寒燈:さびしげな灯火。寒い冬の夜のともしび。心情を反映した語。高適(唐代の詩人)の「除夜作」に「旅澳燈獨不眠」の句がある。


《詞意》

私は行住坐臥唯独り、唱うのも呑むのもまた寝るのも唯独りです。
佇み立てばこころ傷み、少しの寒さも私を包んでどうしようもありません。

この思いを誰が知るでしょう、涙が化粧の半分を洗い流しています。
愁いによる病は相変わらずで、灯心を引き出し、悲しみをえぐり尽くして寒灯のもとに夢見ることもありません。



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