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11.清平樂 夏日游湖



 清平樂      朱淑眞
  夏日游湖

惱煙撩露、留我須臾住。
攜手藕花湖上路、一霎黃梅細雨。

嬌痴不怕人猜、和衣睡倒人懷。
最是分攜時候、歸來懶傍妝台。


(“和衣睡倒人懷”を“隨群暫遣愁懷”とする本もある)


《和訓》
  夏日湖に游ぶ
悩ます煙 撩せる露、我に留まりて須臾(しばし)住めり。
手を攜(つな)ぐ藕花湖上の路に、一霎(しばらく)は黄梅の細雨。

嬌痴にして人の猜を怕れず、衣に和して人の懐に睡倒す。
最も是れ分攜(わかれ)の時候(とき)、帰り来り懶(ものう)く妝台に傍(そ)へり。


《語釈》
・湖:西湖であろうか。
・惱:なやます。苦慮する。うらむ、恨みわずらう。
・煙:けむり。かすみ、もやの類。
・撩:おさめる。なぶる、からかう。かすめとる。置く。
・須臾:少しの間。しばし。
・攜:携。手を取る、手をつなぐ。
・藕:蓮。はちす。
・霎:極めて短い時間。霎時。ほんの少しの間。こさめ(小雨)。
・黃梅雨:梅の実が黄熟する頃に降る雨。梅雨。つゆ。
・嬌痴:嬌癡。あいぐるしくて未だ情事を解さない。
・怕:恐れる、怖がる。心配する、案じる。
・人:ここは特定の関係にある人。恋人。
・猜:猜疑(さいぎ)心をいだく、疑う。
・和:…もろとも、…ごと。[〜衣]服を着たまま。
・最是:もっとも。そうはいうものの。
・分攜:分携。わかれはなれる。手を握って別れる。
・懶:ものうし。ものぐさし。にくむ、きらふ。
・傍:よる、よりそふ。近づく。添う。
・妝台:化粧台。嫁入り道具。


《詞意》
  夏の日に湖に游ぶ
漂う靄と結ぶ露が、しばらくは私の周りに留まるかのよう。
私たちは手をつないで蓮の花の美しく咲く湖にでて、しばらくはつゆの細い雨の中にいました。

かわいくも痴れてその方の疑わしい目も恐れず、衣のままその方の胸に倒れ眠りました。
それでもそれがわかれのときでした。帰って来て私はものうく化粧台に寄り添い物思いにふけっています。



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