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12.清平樂 (風光緊急)


 清平樂     朱淑眞

風光緊急、三月俄三十。
擬欲留連計無及、冖遽貊ハ泣。

倩誰寄語春宵、城頭畫鼓輕敲。
繾綣臨歧囑付、來年早到梅梢。



《和訓》
風光の緊急にして、三月も俄(にはか)に三十なり。
擬として留めんと欲すも連なり計りて及ぶ無く、緑の野に煙愁ひて露の泣く。

倩(うるはし)く誰れに寄りて春宵を語らん、城頭の画鼓 軽く敲く。
繾綣として歧(わかれ)に臨み嘱付す、来年早く梅の梢の到らんを。


《語釈》
・風光:自然の美しいながめ。景色。
・緊急:絃をきびしく張る。せまる、急ぐ。きびしい。せわしくすぎる。
・俄:にわかに。すぐさま。急に。
・三月三十日:陰暦の春最後の日。翌四月一日は、陰暦では夏。
・擬:欲する、爲さんとする勢を示す。なぞらえる。比べる。
・連計:次々に連なり数えられる。
・無及:追いつくことがない。
・倩:うるはしい、みづみづしい。口もとあいらしい。代わってやってもらう。やとう。
・城頭:城壁上。また、城壁のあたり。
・畫鼓:絵の鼓。
・敲:叩いて音を出す
・繾綣:ねんごろに。反覆する。人情厚くしてつきまとふ。
・歧:分かれ道。ふたまたみち。
・囑:言い付ける、頼む。望みをかける。


《詞意》
春の美しい時はせわしく過ぎて、三月もはやくも末になり、春が終わります。
この春を留めようと想っても、時は連なって追いつくことがなく、靄が愁い深く漂い露が泣くように置かれて野は夏の気配の緑を濃くしていくのです。

口もとあいらしく誰れに寄って春宵を語りましょう、城に出で絵に描いた鼓を軽く敲いてみます。
そして、懇ろに別れに際し望みをかけます、来年早く梅の梢に春が来ますようにと。



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