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補遺



1 
  浣溪沙(春夜)  朱淑眞
玉體金釵一樣嬌。背燈初解繡裙腰。衾寒枕冷夜香消。
深院重關春寂寂,落花和雨夜迢迢。恨情和夢更無聊。


玉體金釵一樣嬌。(玉体の金釵は一様に嬌なり)
背燈初解繡裙腰。(灯を背に初めて解く繡裙腰)
衾寒枕冷夜香消。(衾寒く枕冷たく夜の香消ゆ)
深院重關春寂寂,(深院の重關に春寂寂として)
落花和雨夜迢迢。(落花雨に和し夜迢迢たり)
恨情和夢更無聊。(恨情夢に和し更に無聊なり)

・玉體:お体。真っ白で美しい身体。
・金釵(きんさい):金でつくったかんざし。
・一樣:すべておなじさま。
・嬌:愛くるしい。うつくしい、なまめかしい。
・繡裙腰:腰にまとった美しい刺繡のあるスカート。・裙:もすそ。スカート。
・衾(ふすま):掛けぶとん。
・夜香:夜に焚かれた香。夜香木は夜になると強い芳香を放つ花、夜香花。
・深院重關:貴婦人の部屋。
・深院:奥庭。中庭。
・重關:幾重にも閉じられた門。
・寂寂:静かでさびしいさま。
・和:仲よくする。調和する。
・迢迢:遠くへだたるさま。 ここは夜の静かな深まりをもいうか。
・無聊:わだかまりがあって、心楽しまないこと。退屈なこと。気が晴れないこと。



  自責 二首    朱淑眞
女子弄文誠可罪,那堪詠月更吟風。
磨穿鐵硯非吾事,繡折金針卻有功。

悶無消遣只看詩,不見詩中話別離。
添得情懷轉蕭索,始知伶俐不如痴。


女子弄文誠可罪,(女子の文を弄ぶは誠に罪なるべし)
那堪詠月更吟風。(那(なん)ぞ堪へんや月を詠じ更に風を吟ずるを)
磨穿鐵硯非吾事,(鉄の硯を磨き穿つは吾事にあらず)
繡折金針卻有功。(金の針を繡(ぬ)い折るに却って功有り)

・那堪:どうして堪えられようか。なんぞ…に堪えん。
・磨穿鐵硯:詩文を推敲、研鑽すること。
・非吾事:私の関心事ではない。
・繡折金針:家庭婦人の仕事。


悶無消遣只看詩,(悶へ無く消遣に只だ詩を看る)
不見詩中話別離。(詩中に別離を話するは見ず)
添得情懷轉蕭索,(添へ得たり情懐転(うたた)蕭索)
始知伶俐不如痴。(始めて知る 伶俐は痴に如かずと)

・消遣:気をはらすこと。気ばらし。暇をつぶす。
・情懷:心の中に思うこと。所懐。
・轉:転(うたた)、状態がどんどん進行してはなはだしくなるさまをいう。いよいよ。ますます。一層。
・蕭索:もの寂しいさま。うらぶれた感じのするさま。蕭条。
・伶俐:頭のはたらきがすぐれていて、かしこい・こと(さま)。聡明。
・不如:及ばない。かなわない。…に越したことはない。
・痴:愚かなこと。




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