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補7 如夢令  誰伴明窗獨坐



 如夢令   李清照
誰伴明窗獨坐、 (窗=月)
我共影兒兩個。 (共=金)
燈盡欲眠時、  (眠=暝) 
影也把人拋躲。   
無那、
無那、
好個棲惶的我。
 
    (一説に向滈の作)


《和訓》
誰を伴ふや 明るき窓に独り坐りて、
我は影と共に両個(ふたり)なり。
灯の尽きて眠らんと欲する時、
影や人を把へて抛(なげう)ち躱(かく)る。
無那(いかん)ぞ、
無那、
(よし)や個(ひと)り棲みて惶(おそ)るる我を。



《語釈》
・兒:物の名の下に添へる接尾辞。
・欲:…しようとする、…しそうだ。
・拋(ほう):抛。なげうつ。すてる。
・躲(た):躱。かわす。隠れる、避ける。かはす、身をかわしてにげる。
・無那:どうしようもない。どうにもならない。いたしかたない。いかんともするなし。=無奈。
・好:《反語として》不満の語気を示す。
・惶:恐れる、不安がる。

 ※参考・同趣の孤独を詠った詩に、李白の「月下獨酌」がある。
花間一壼酒, 花間 一壺の酒
獨酌無相親。 獨酌 相親しむ無し
舉杯邀明月, 杯を擧げて明月を邀(むか)へ
對影成三人。 影に對して三人を成す
月既不解飮, 月既に飮を解せず
影徒隨我身。 影徒(いたづら)に我が身に隨ふ
暫伴月將影, 暫く月と影とを伴ひて
行樂須及春。 行樂須(すべか)らく春に及ぶべし
我歌月徘徊, 我歌へば月徘徊し
我舞影零亂。 我舞へば影零亂す
醒時同交歡, 醒時同じく交歡し
醉後各分散。 醉後各(おのおの)分散す
永結無情遊, 永く無情の遊を結び
相期邈雲漢。 相期して雲漢邈(はる)かなり
         


《詞意》
明月の差し込む窓辺に一人座って、誰が伴うというのでしょう。
私に私の影さんが伴って--私たち二人。
やがて灯火は絶え、眠りにつこうとする時、
月も沈んで影は私をひとりを残しするり身をかわし隠れてしまいました。
あぁ、どうしたらいいのでしょう。どうすることもできないのでしょうか。
私は、夫から離れただ一人寂しさにうち震え、悲しくうめくしかありません。



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