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補13 憶少年 疏疏整整


 憶少年    李清照
疏疏整整、斜斜淡淡、盈盈脈脈。
徒憐暗香句、笑梨花顏色。
羈馬蕭蕭行又急。
空回首、水寒沙白。
天涯倦牢落、忍一聲羌笛。



《和訓》
疏疏整整、斜斜淡淡、盈盈脈脈。
徒らに暗香の句を憐れみ、梨花の顏色を笑ふ。
羈馬蕭蕭として行くに又た急なり。
空しく首を回らすに、水寒く沙白し。
天涯に牢落を倦みて、一声の羌笛に忍ぶ。


《語釈》
・疏疏:まばら、密接でない。服装が鮮かで整っいてる様子。ぼんやりした様子。
・整:きちんとしている、整っている。・整整:まるまる、きっちり。整然として厳格な様子。
・斜:斜めの、傾いた。十分に身構える。
・淡淡:静かに水をたたえるさま。水が静かにたゆたうさま。
・盈盈(えいえい):水の満ちるさま。(水が)澄みきった。(姿や態度が)上品な。軽やかな。
・脈脈:途絶えずに力強く続くさま。
・徒:むなしい、何もない、ただ…だけ。
・暗香:どこからともなくただよってくる芳香。やみにただよう花などの香。
・羈馬:旅に出る馬。
・蕭蕭:風雨・落葉などの音のものさびしいさま。ものさびしいさま。
・天涯:世界中。 空のはて。また、非常に遠い所。
・倦:飽きる、倦(う)む。
・牢落:心がうつろなさま。さびしいさま。
・忍:つらいことを我慢する。気持ちが外に表れそうになるのをじっとこらえる。
・羌笛(きょうてき):青海地方にいた西方異民族(チベット系の人)の吹く笛。


《詞意》
時は水の流れのように疏疏と整整と、斜斜と淡淡と、満ち満ちて脈脈と流れます。
ただ漂う芳香を詠んだ句を憐れみ、梨の花のような顔色を笑ふばかり。
旅の馬は寂しげに急ぎ行きます。
虚しく首を回らせますと、水は寒く砂の道が白く続いています。
天涯にひとり虚ろな寂しさにも倦み、一声の羌笛に忍んでいます。



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