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補14 菩薩蠻 儕栓上飛金雀


 菩薩蠻    李清照
儕栓上飛金雀、悉眉翠歛春煙薄。
香閣掩芙蓉、畫屏山幾重。
窗寒天欲曙、猶結同心苣。
啼粉污羅衣、問郎何日歸?



《和訓》
緑なす雲鬢の上に金雀を飛ばし、悉(ふつ)に眉翠の春煙の薄きを歛(あつ)む。
香閣芙蓉に掩(おほ)はれ、画屏の山 幾重なり。
窓の寒く天曙(あ)けんと欲し、猶ほ同心の苣を結ぶ。
啼きて粉の羅衣を汚し、郎に問ふ何日帰るやと。


《語釈》
・僉Ы性の髪をほめていう。つやつやとした美しい。
・雲鬢:女の鬢の美しさを雲にたとえた語。また、美しい女のこと。
・金雀:かんざしの首に金の雀をつけたもの。
・悉:すっかり。ことごとく。ふつに。
・眉翠:黛。
・歛:おもう、ねがう、欲する。あたう(予)。古くは“斂”と同じく、聚集の意。
・香閣:女性の住む建物。
・芙蓉:ハスの花(【同】[荷花])
・掩:閉ざす。
・畫屏:絵が描かれている屏風。
・欲:…しそうである。
・同心苣:連鎖するたいまつ状のデザインの花紋様。古く心を一つにするという愛情の象徴として用いる。
・苣:たいまつ。
・粉:白粉(おしろい)。
・羅衣:薄絹(うすぎぬ)で仕立てた着物。
・郎:女性から夫や恋人に対する旧時の呼称。


《詞意》
豊かな黒髪に金雀の簪を揺らし、眉には残らず春霞を薄く集めました。
私の部屋は芙蓉の花に覆われ、屏風が山のよう幾重にも囲んでいます。
窓辺は寒くなって間もなく夜が明けようとしていますが、さらになお契りを結びます。
泣いては白粉で薄絹を汚し、貴方に今度はいつお帰りと問うばかりです。



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