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二 春殘


 春殘   李清照    
春殘何事苦思郷
病裡梳頭恨髪長
梁燕語多終日在
薔薇風細一簾香

 春残(しゅんざん)何事ぞ(はなは)(きょう)を思ふ
 病裏(へいり)(こうべ)(くしけず)りて髪の長きを恨む
 梁燕(りょうえん)()多くして終日(しゅうじつ)在り
 薔薇(しょうび)風細やかにして一簾(いちれん)(かんば)


春殘・・晩春
苦・・しきりに、とても
梁燕・・梁の上に巣をかけている燕
語多・・燕がしきりにさえずり交わしている


【詩意】
春もゆこうとしているいま、何故かとても故郷が懐かしく思われます。
病床にあって、髪をすくと、あまりに長さが煩わしく思えます。
梁の上の燕は日がな一日さえずり続け、
庭の薔薇がそよ風に乗って簾ごしに薫っています。


堀辰雄は好きな本のひとつに『歴朝名媛詩詞』をあげ、そのなかでも一番好きな詩人は、李清照で、この「春残」を、「そのうたの意味はね、病み上がりの美人が、窓辺に頬杖でもついて、何かもの思いに耽っているとかすかな、ちょっと簾を動かすだけの風が吹いてきて、薔薇の匂いがかすかにしてきた、というようなものだけど──風ほそくして、なんて言うのはいい言葉でしょう、」と言ったという。(中里恒子の随筆「石榴を持つ聖母の手」)


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